ローソン

2012/10/10

許せない!マクドナルドがメニューを撤去した本当の理由


外食産業ナンバー1であるマクドナルドのレジから、手元の指差しメニューが消えてしまいました。ホントにありえないことです。聴覚障害者や話せない言語聴覚障害者にとっても、手元のメニューに指さして、注文を伝えることは不可欠なのです。指差しメニューは聴覚障害者のバリアフリーのひとつだと思っていましたが、違うのでしょうか?上にあるメニューは遠くて分かりにくいし、入り口のメニューは、他の人に気を使って、近くで見られなかったりそこには、いろいろな理由がちゃんとあります。指差しメニューが消えた理由を調べてみると、『注文内容を事前に決めてもらうことで迅速化を図る狙い』でした。その理由に納得できない方々が数多く、います。オーストラリアのマクドナルドは指差しメニューが無かったので、いつも上にあるメニューを見ながら、メモに書いてから、店員さんに見せるようにしていました。日本の指差しメニューのほうがよっぽど楽で、日本って素晴らしいと思っていましたが、日本のマクドナルドの対応には、怒りを覚えているところです。手話対応の店員さんはいるらしいけど、全店舗にいるとは限らないのです。実際に手話が出来る店員さんや手話対応バッジをつけている店員さんを一度も見かけたことがありません。それに、手話ができない聴覚障害者はどうすればいいですか。

店員さんに聴覚障害持ちだということを伝えると、小さなメニュー表を出してくれます。私はハッキリ伝えられるほうですが、周りの視線もあるので、言いづらい方々もいるのは事実です。本音はメニュー表を出してくれるのだったら、最初からレジの手元に置いてあってほしいです。店員さんの人柄によっては、わざと出してくれない場合もありますので、いつも当たり前に出してくれるとは思えないし、本当に難しいところです。「耳が聞こえないので、メニューを下さい」と伝えることでさえ、聴覚障害者たちにとって、楽なことではありません。それでも、彼らは頑張って、伝えていくことを繰り返すしかないのです。このまま続くようであれば、マクドナルドに行く機会が以前より減ってしまったり、別のファースドフード店のところへ行ってしまう恐れがあります。現在、全国の聴覚障害者の人口数は、約60万人ですが、軽度の難聴者なども含まれると、約600万人になります。これ以上、聴覚障害者の数少ないバリアフリーを無くさないでほしいです。

企業が店舗で聴覚障害者のために出来ることは、ありますか?

もちろん、あります。聴覚障害者が利用しやすい方法を教えます。

指差しメニュー、手話対応のスタッフ、筆談器、セルフレジ、オーダー用紙、タッチスクリーンモニター(画面モニター)があります。聴覚障害者がもっとも希望していて、利用しやすい方法です。

最近、聴覚障害者も利用しやすい方法を実行し、成功させた企業がいます。

それは、TSUTAYAです。

私は映画が大好きで、よくTSUTAYAでレンタルします。最初の頃は、レジのほうで、スタッフさんとのコミュニケーション手段が口話でしたが、スタッフさんが毎回、違う人だったので、やっぱりスムーズに聞き取れなかったり、時間もかかってしまったりすることもあり、後ろで並んでいるお客様を待たせてしまって、会計が終わった後に、いつも申し訳ない気持ちになってしまうこともありました。私が毎日のように通っている常連だからなのか、ある時から、レジのスタッフさん全員がすぐ筆談に応えてくれるようになりました。また、手話対応のスタッフが1名いらっしゃっていて、簡単な手話でしたが、問題なくスムーズに済みました。今年に入ってから、セルフレジが設置されるようになっていて、とっても感激しました。同じパターンなのに、毎回、手間のかかるコミュニケーションは必要なくなり、時間も短縮できるようになり、その後、ずっとセルフレジを利用しています。TSUTAYAがセルフレジを設置した理由は『売り上げ拡大や運営効率化』でしたが、その方法こそ、聴覚障害者にとって、優しい、そして、パーフェクトなバリアフリーだと、私はそう確信しています。その素晴らしい対応に感心し、ますます、TSUTAYAの大ファンになりました。

経済的利益と時間の短縮という理由で、最近は映画館、コンビニ、スーパーでも、セルフレジが増え続けています。日本だけではなく、世界中にも広がりつつあります。オーストラリアのマクドナルドでも、英語をうまく話せない観光客がスムーズにオーダーできるようにと、タッチスクリーンモニター(画面モニター)を設置されている店舗もあります。聴覚障害者にも健聴者にも、どちらでも、同じ、優しいバリアフリーを生み出す可能性があることを忘れないで下さい。

ファーストフード企業の方は、聴覚障害者が利用しやすい方法の中から、企業の方針に合う、ベストな方法を選び、実行してみてください。彼らが「利用しやすい」と思えば、必ず、また、利用してきます。聴覚障害者に優しいバリアフリーを増やすことで、リピート率が上がり、企業のイメージアップや売り上げに貢献できる事は間違いありません。