ローソン

2012/09/26

あの東北大震災で聴覚障害者はどうしていたのか、あなたは知っていますか?




記憶にまだまだ新しい、そして、忌わしい、あの東北大震災での出来事。

その時、命からがら避難してきた聴覚障害者たちはどうしていたのか、あなたは知っていますか?

多くは避難所にいました。重要な情報を流れ続けていたラジオや館内アナウンスは聞こえない彼らにとって、まったくの無力で役に立たないものです。手話を使いたくても手話が出来る人がいません。筆談をしたくても、紙もペンも、ありません。テレビも限られているところもあり、食べ物もいつ、どこで支給されるのかも知らされていません。他人だらけの周りは情報を聞き続けているのに、自分は何もわかりません。スマートフォンのTwitterだけが唯一、頼りになる情報だったと言う人もいますが、高齢の聴覚障害者達はどうだろう。【情報が欲しい。状況を知りたい。】その思いを我慢しながら、孤立に耐えてきた彼らがいました。そんな状況をあなたには想像できますか?ほんの少しでいいのです。簡単で短い言葉でもいいのです。彼らに教えてあげる事で、必ず、大きな【助け】になります。

十色十人の聴覚障害者がいます。

英語でdeaf または Hearing Impairedともいいます。

聴覚障害者みんなが同じとは限らないです。一生、筆談だけで過ごす方、文章を書けない方、手話を使わない方もいます。心の病気で耳が聞こえなくなって補聴器をつけても全く聞こえない方もいます。しかし外見は健常者と変わらないので、なかなか、わかりにくい原因の一つです。両耳または片耳につけている補聴器や手話を使う所を見れば、わかりやすいと思いますが、補聴器をつけない方もいますので、見極めるのはほぼ不可能だと言えます。

じゃあ、どうしたら、いいですか?

まず、相手の状況を知ることです。様々な種類の聴覚障害がありますが、今回はその中から、5つのタイプを簡単に紹介します。この5つのタイプを知ることで、相手の状況を知り、理解できる可能性はきっと高くなるはずです。

  • ろう者(聾者)
言葉を理解する前に失聴した人、ろう学校の卒業者やろう社会に関わっている人を「ろう者」と呼びます。主に日本手話、日本語対応手話、口話または読唇、筆談を使用。自分のアイデンティティを「ろう者」と呼ぶ人が多いため、現在、一般的に使われています。幼い頃、発音のトレーニングを受けて、普通に話せる人もいます。

  •  ろうあ者(聾唖者)
【聞こえない+しゃべれない】人を「ろうあ者」と呼びます。主に日本手話と要約筆記を使用。国語力が低く、文章をうまく書けない人が多く、います。その分、豊かな表情や手話の表現は大変すばらしく、抜群に上手い人も数多く存在しています。

  •   盲ろう者
【見えない+聞こえない】人を「盲ろう者」と呼びます。盲ろう者と言えば、あのヘレン・ケラー氏を思い浮かべる方も多いでしょう。主に点字、手話+指文字、墨字を使用。コミュニケーション情報の入手や発信が困難な為、手話通訳者は欠かせない存在と言えます。

  •  難聴者
言葉を理解する前に失聴した人でありながら、比較的に軽度であるため、ろう学校ではなく、普通の小学校に通ったことがある人、健常者と変わらない生活をしている人を「難聴者」と呼びます。ろう社会とは関わっていなく、ろう者の考え方や行動などに違和感があるため、自分のアイデンティティを「難聴者」と呼ぶ人が多く、います。主に口話や要約筆記を使用。また日本語対応手話が出来る人と出来ない人がいます。また、電話が出来る人も、います。

  • 中途失聴者
言葉を理解した後に失聴した人を「中途失聴者」と呼びます。様々な病気、ストレス、耳へのダメージ、頭部へ衝撃などで、聴力が下がったり、完全に失ってしまうケースが多いです。発声は不自由していないが、聞くことは出来ないため、音声コミュニケーションは困難です。主に要約筆記を使用することが多いです。


もしも、あなたが聴覚障害者に出会ったら、気軽にこう聞いてあげてください。

「どうしたら、いい?」と。

決して、失礼なことではありません。お店で友達とメニューを見る時、「何か苦手なの、ある?」と気軽に聞く事と同じです。それと同じような感覚で聞いてあげて下さい。これだけでも、聴覚障害者は初めて安心して、コミュニケーション方法をお願いする事が出来るのです。「嫌がられる、面倒くさがられる」と思いこみ、遠慮して、自分からはなかなか言い出せない人もいます。彼らは目で口の動きを読み取る事で言葉を理解するので、彼らに聞く時の大事なポイントは普通の声で、口の動きを大きく、ゆっくり、はっきり、明確に話すことです。大きい声を出す必要はありません。また、ジェスチャーやボディーランゲージも使ってみたり、口を大きく動かせない方は筆談という方法で紙に書いてもOKですし、字があまり上手じゃなくて恥ずかしいという方は携帯電話やスマートフォンを使って見せるのもOKです。

あなたのほうから気軽に聞いてあげてください。相手の状況を知り、理解して、合わせる事が出来るはずです。手話を知らなくても、専門的な知識がなくても、身構えることなく、聞いてあげる気持ちがあれば、きっと大丈夫です。

東北大震災で聴覚障害者たちは確かな情報も得られないまま、どうしようもなく、ずっと不安がっていました。もし、あなたの周りにいたら、短い言葉でもジェスチャーでもいいので、「ここは危ない」とか「あっちは危険」とか「食べ物、12時、ここ」とか、そういうふうに声をかけてあげることで、彼らは初めて、どういう状況にいるのか理解出来るのです。ほんの少し、情報を教える事で、彼らに安心感を与えられるのです。